予防接種、その後のトラブル(後篇)
いま気づいたんですが、このタイトル、ワクチン接種で副作用とか出たっぽいですよね。すみません、そう思った方……犬を入れたファスナーが開かなくなった話です……。
当たり前だけどもう出てますよ
さて、予防接種の帰り道、我が飼い犬ブリを首だけ出してキャリーバッグに入れて帰宅するも、ファスナーが壊れて開かなくなってしまい、鰤は大暴れしてるわ、わたしは大慌てだわ、息子はおもむろに冷凍庫からパピコを取り出し「ねえ半分に割って~?」なんつって、わたしに「お前なに呑気にアイス食おうとしてんだよ!! 見ててなんとなく状況わかんねーのか!!」とブチ切れられるわの大騒ぎ。
いや、4歳児に空気読めっていうほうが無理なんですけど、わたしもテンパってたんです。ほんと。予防接種のあと興奮させると副作用が出やすいから、サークルに入れて一日ゆっくりさせないといけない、部屋フリーすらNG、という認識なわけです、こっちは。それが、もう見たことないくらい興奮してるわけです。
しかし、鞄を持ち上げて、どうどうどう、と落ち着かせようとしてもダメ、おやつをあげてもダメ、サークルに一度入れていったん寝かせようとしてもなにせ首から下は鞄の中ですから寝るわけないのです。
仕方ない、鞄を切ろう……!
まあ、普通そう考えますよね。で、暴れる鰤をうっかり切ってしまわぬよう細心の注意を払いつつ、新品同様かとおもわれる綺麗なバッグをジョキジョキ切ったわけです。暴れる鰤を押さえつけながら。切って、切って、切って……やった、身体が出た……!
けど、頭は抜けない……!
ファスナーが閉まってるんだから当たり前じゃないか! 落ち着け、わたし。こどもの服をバンザイから脱がせるときのように、ひっくり返して引っ張ってみる、思いっきり、が、やはり抜けない。そもそもこどものように協力的でなく、じっとしてもくれないのだから当然だよ!
しかし、ひっくり返した結果、毛が絡んでるとか肉が噛んでるといったことはないようだったので一安心。よかった……いや、安心してる場合じゃない。鰤は尋常じゃないくらい暴れている。予防接種後じゃないとしても興奮しすぎで死ぬんじゃないかっていうくらい暴れている。
い、いや、でも身体は出た。前進した。なんか身体を咬まないための道具にこういうのあるし、そういう感じだとおもえば、とりあえず生活はできるレベルまで前進した。
↑こういうの
いったんサークルに鰤を入れる。せめて一度寝てくれないかとおもうが、吠えまくり、首を取り囲んだバッグを外したくて暴れ、咬みつきたいがうまくできず、とてもじゃないが寝そうにない。トイレスペースに行きたいがバッグが邪魔で行けない。キャウン、キャアアン、でかい声で泣いている。鳴くというより本当に泣くって感じ。
しかしわたしの手が近づいただけで本気咬み。もう両手ともにボロボロ、血がダラダラのわたし。どうしたらいいんだ……家主が帰宅するまで待つか? そうすれば二人がかりでなら絶対にできる。しかしそれまで8時間もある。その間に興奮しすぎて死んだらどうするんだ。人間が部屋からいなくなれば興奮も醒めて眠るだろうか? でも目を離したすきに死んでたらどうするんだ。ていうか死んだらどうしよう。
そりゃもう、やるしかないですよ。血を流しながら。
やると決めたら一秒でも早く。完全に両手を咬ませながら、チャックの反対側の、金属部分のない布のところ、わずか数ミリの場所に鋏を入れます。鰤が動きます。手はふたつしかないから、鰤を抑えることはできません。暴れる犬の喉元に鋏を入れる、ものすごい恐怖。でもやらねばならん。飼い主だから。わたしはこのとき、初めて、鰤のことで泣きました。死んだらいやだとおもった。死なないでくれたら、元気で生きていてくれるためなら、わたしの傷なんて安いものだ。血なんていくらでも流してやる。だから鰤、死なないで。しなないで。ただ、そうおもいました。
その後無事救出される鰤と、アイスを食べる息子
もうホントにね、ホント、痛かったよ。やってるときは無我夢中で、鰤を傷つけちゃいけない、そして早く楽にしてあげなくちゃいけない、それだけで一心不乱だったけど、終わってみたらもう、めちゃくちゃ痛ぇよ……ここ五年だったら陣痛に次いで痛かったとおもうわ、マジで……。
ちなみにこの写真は後日のものです
とはいえ、無事に鰤を救出できたので、本当によかったです。手の傷も、三日経ってだいぶ治ってきました。バッグは棄てました。ちくしょう、バッグめ。自分で買ったものならともかく、頂きものだから怒りの矛先がどこにも向かねえぜ……。
その他、新しい防蚊ハーネスが良い感じですとか伸縮できるリードが良い感じですとか書きたいことはいろいろありますが、今日も勤務終了時間になってしまいました。うぬー。
片づけ祭も終わったから、おうちのPCからも更新しようかな!