brilliant Yellowtails

コーギーの鰤との生活

巣立ち そのさん

さて、そんなわけで巣立ちの前夜。明日から預けるわけだし、スペシャルなおやつをハグハグさせつつ、耳のお掃除でもしちゃおうかな! と思いついたわたしは、先日ペットショップで買っておいた豚の鼻をやおらに取り出しました。

 豚の鼻。はっきりいってエグいですが、先日はじめて豚の耳をあげたところ喜んでよく食べていたし、ひとつあげれば20分近くもつので、その間ゆっくり耳掃除をしちゃおう、とおもったわけです。

鰤さんはわたしの膝の上に乗るのが(たぶん)好きで、普段から片手で骨をかじらせながらもう片方の手で撫でたり掻いたり梳いたりしているので、このときも鼻を見てうれしそうに膝に乗ってきました。左手で豚鼻を持ち、声をかけながら右手で鰤の耳掃除をします。うれしそうだなあ、鰤さん。

俺「おいしいか、豚の鼻(なでなで)」
鰤「ガルルルル……

えっ……。

いやな予感がしましたが、大丈夫、取らないよ、鰤のだよ、と声をかけながら耳掃除を続けようとしたところ……

鰤「ガウッ!! ガウッ!!!」
(ガブーッ!!)
俺「いってぇー!!! てめえ何しやがる!!」

……一瞬のことでした。
わたしは無意識に、鰤をサークルの中に投げ込んでいました。そりゃあもう完全に、びよーん、と投げ込みました。がしゃーん、って。マジで命の危険を一瞬感じました。いまこれを書いていたらちょっと具合がわるくなってきたので自分でもびっくりしています。ほんとに、すごい怖かったです。

鰤は一瞬きょとんとしていましたが、特にどこも痛めた様子はありませんでした。しかしわたしの手からは、ダラダラと血が溢れ、床にぼたぼたと落ちました。いままでで一番の出血でした。

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それでも写真撮っちゃうわたし(マゾ)
これは血が止まったあとです。血は拭き取らないほうがいいと家主に云われたので、血をつけたまま寝ました。。。


マジですんごい痛かったです。中指のほうが出血が多いんですが、痛かったのは親指の付け根のほうで、骨をダイレクトに咬まれたせいか、三日経った今でも、痛くてこどもと手をつなげない、雑巾を絞ることもできないという、本気の怪我になってしまいました。

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中指の根本は家主が縛って止血してくれました


しかし、しょうじき傷よりこころが痛いです。
鰤はずっと食べ物に対する執着が強くて、だから手からフードを餌皿に少しずつ入れていくトレーニングだってたくさんやってきたのに、二ヶ月半ずっとこの手でごはんをあげてきたのに、鰤の食べ物を取ったことなんか一度もないのに、全然信頼されていないのです。なんでや……。

そして、鰤は犬なんだと強く認識しました。いや、もちろん、ずっと犬でしたけど。本気でかかればわたしの指なんて食いちぎってしまう、こいつは犬なんだなあ、と痛感しました。ヒトとは違うんだなあ、と。わたしはやっぱり、どこかで鰤をなめていたのかもしれません。

一週間前にカウンセリングをしてもらい、そのアドバイスに従って、首輪に替え、クレートを買ってから、鰤さんの困った行動は目に見えてなくなっていっていました。なので、もしかして預かってもらわなくていいんじゃないかなあ、と考えていたのですが、その矢先この流血事件だったわけで……結局、迷いなく預かり訓練に向かわせる結果となりました。別に問題行動があるから預ける、とかではなかったんですけどね……なんか、問題行動のせいで預ける、みたいに、結果的にはなっちまったよ……つらいよ、鰤さん……。

そんなわけで、めそめそしながら日曜になり、朝いちばん、鰤さんは預かり訓練へと巣立っていきました。

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持参した三週間分のごはん
右:ナチュラルチョイス・ラム(残りわずか)
左:アカナ(約10日分)
中:シュプレモ(残り20日分以上)


鰤さんは元気でがんばっているようです。
三週間なんてあっという間だ! 昨日さっそく部屋の位置替えをし、リビングの雑巾がけもしました。わたしはわたしで、できることをがんばります。

鰤のお迎えまで、あと19日。