犬の笑顔と犬の幸せ

穴が開くほど犬ブログを見ていますが（1日50件くらい巡回する）（仕事中のみ）、まあどの犬もかわいく笑ってますよね。いや、かわいく笑ってる写真を選んで載せてるのはわかってるんですけど、でも、そもそも笑わなきゃ撮れないんだから、笑ってるわけですよ、間違いなく。しかしまあ、笑わないわけです、鰤さんが。

よく見る顔

アンニュイ


うちの娘も赤子の頃はよく「アンニュイな顔をしている」と姉に云われていました。

（ちなみにこれはカンガルーのあばら骨をかじっているときの顔でなのでまったくアンニュイではありません）


あとは、なにかしてほしいときの期待に満ちた真顔（おすわりをしながら前足をプルプルさせている。めんこい）か、咬みついたことを叱られてしょげている顔か、引っ張りっこや散歩でテンションが上がりすぎてグルルル……ってなってるか、それを落ち着かせようとして「どうどう」ってやったらその腕を咬まれ「イデッ！！」っつってケージに入れて無視されてしょんぼりしてる顔か……なんにしても、コーギースマイルなんてろくに見たことないわけです。

（上から撮るとしょんぼり顔に見える……気もする）

あれかな？　やっぱり、留守番の時間長いし、自由に遊べるリビングは狭いし、トイレの躾が終わってなくてあんまり目一杯フリーにさせてないストレスもあるし、すぐ腕を咬みに来るからしょっちゅう無視したりケージに戻されたりしちゃうし、息子は怯えて近づかないし、わたしはすぐ耳掃除をしたがるし（息子のおへそとかもすぐきれいにしたくなるタイプ）……要は、もしかしてあんまりしあわせじゃないのかな、ブリさんは……？　と、不安になってしまいました。

幸せってなんだろう。。。


いや、笑ってるように見えるかどうかなんて幸せかどうかとは関係ないわけです。まあ、頭ではわかっているんですが、ふとおもってしまうわけです。そんなしょうもないことを考えている暇があるなら大学の課題でも済ませろよと自分でもおもいますが……。

わんちゃんに手作りのごはんやおやつをあげましたとか、ピカピカに掃除された広いリビングで放し飼いですとか、パピートレーニングやパピーパーティーに行きましたとか……わたしに時間やお金がないせいでブリに不自由な思いをさせている、うちなんかに来なければブリはもっと楽しくのびのび生きて、にこにこ笑っていたんじゃないだろうかと、考えると泣けてくるわけです。いい歳こいて。

まあ、結局そういうしょうもないことを考えるのは単に自分に自信がないからなんですよね。言い訳にしているだけなんです。本当に大事なのは心意気であって、限りあるお金や時間を使って、いかにブリに楽しく生活してもらうかってことなんですよ。ええ、わかってるんです。

ブリよ。うちは確かに、留守番は長いし部屋は狭いしお金もないし、息子はビビりで泣き虫だし、わたしは耳掃除が大好きで嫌がられてもやるし、そのくせ爪切りはできないし、家主はタバコくさいし、でかい音で特撮ヒーローものの映画を観て親子で変身するし、スターウォーズごっこが始まるときみを無視してライトセーバーを振り回すけどね、でも、きみを辛い目になんかぜったいに遭わせないよ。うちに来たからには死ぬまで楽しい思いをさせてやる。覚悟しておけよ、このやろう。

って、たばこを吸いながらブリを見て、ひしひしと思ったのでした。ブリはそんなわたしの心など知らず、こっそりカーペットにおしっこをしていたのでした。

つーか落ち着いて考えてみると、ブリがあんまりしあわせじゃないかもって懸念が浮かんだのは、わたしがいまあんまりしあわせじゃないかも、とおもっているせいかなー、と思い至りました。

……いや、しあわせじゃないっていうと大げさですが……ただ、「人生がときめく片づけの魔法」を読んで、片づけ祭を開催したいのに全然時間がとれなくてできないことに激しくイライラしていたんです、ここ数日……。いや、それだけなんですけど……。

そんなことで相手の幸せにまでケチつけるなんて、ひどい話よね。ごめんね、ブリオさん。

あん？

ということに気づいてから、なんか肩肘張らずに「よそはよそ！　うちはうち！」とおもえるようになりました。ちょっとだけ。

人間のこどもに関しては、よそと比べるような気持ちもなく、こどもとの生活に不安なんて全然ないのに、不思議です。ことばが通じないからかしら。娘を迎えた十年近く前は、やっぱりこんな風に不安になったりしたのかなあ……（覚えてない）。


そして、そんなわたしにブリがちょっとだけ笑ってくれました。

慰めてくれるのかな。ありがとう。がんばるよ。